二日間の大坊珈琲 at ippo plusが無事に終わりました。
沢山の方々に珈琲を飲んでいただくことができました。
お越しくださった皆様、本当にありがとうございました。
大坊勝次さんは、私が両親の次に敬愛する人物です。
二日間その方のお手伝いができたことは、一生の宝物になりました。
大坊さんが静かに丁寧に珈琲を淹れる。
ふっと力を抜き、顔を上げ、私に優しく微笑み「できました」の合図。
私は軽く頷き、珈琲をお客様へ。
その緊張と緩和の繰り返し。
うつくしく、幸せな振る舞い。
そして、大坊さんがつくる珈琲はやっぱりたまらなく美味しいということを改めて感じました。
寡黙に珈琲を淹れる大坊さんは、それ以外の時はたくさんお話してくださいます。
そして必ず真っ直ぐ目を見て、あなたどう思う?と問われます。
余韻について、味覚について、儚さについて、詩について、夢について…。
「岩手の田舎で育ってね、幼い頃の夢は、日曜日の朝にトーストにバターをぬってコーヒーと食べることだったねー。
それが今もそんなに変わってない。小さな夢でしょ?でもそれでいいかな、って思ってます。」と笑われます。
その側で奥様が、「私の夢はね、夫婦でゆっくりお茶を飲む時間が取れること。
若くに結婚してずっとお金が無くて、それから店の営業が忙しくって。
でもその夢は叶いましたね。」と静かに微笑まれます。
二日間で200杯の珈琲を淹れ、お疲れのはずなのに、
軽やかな足取りで「また珈琲を飲みに来てください。待ってますよ。」と帰って行かれました。
かつて東京の南青山に、大坊珈琲店がありました。
美味しい珈琲が飲める喫茶店でした。